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ちょっとまじめな木の話

木と地球温暖化

施工例
常に問題視されている地球温暖化。
温暖化の原因である二酸化炭素はオゾン層破壊・紫外線の拡大によって増加の一途をたどる傾向にあります。
この問題解決に大きな役割を果たすのが森林の存在です。木は二酸化炭素を大量に吸収します。
たとえば地表直径50cm、高さ15mの杉が、一年間に5mmの年輪を形成して成長する場合、約37kgの二酸化炭素を吸収した計算になります。地球全体で考えたとき、森林全体に貯蔵されている炭素の合計は約1兆4700億tの概算が出ています。

木で地球温暖化防止

施工例2
若い森林は、二酸化炭素の吸収・固定能力は年々増加し、10年から30年で最大能力になります。
しかしその後は、炭素吸収・固定能力は一定となり、ある程度成長した樹木の利用と苗木の成長が必須になります。
さて木を加工するとき、保管されていた二酸化炭素が放出されてしまいますが、鉄筋コンクリート住宅に比べて木造の家は放出量を1/3から1/4に抑える事が可能ですまた木材はそれが腐ったり燃えたりするまでは、固定された二酸化炭素は保管し続けられる特色を持っています。

木と石油の違い

施工例3
木と石油の違いは2つ。
1つは資源の持続性です。石油は使ってしまえばなくなってしまいますが、木は苗木の成長と使用量の計画性にて半永久的に利用可能です。 
2つめは木だけが持つ性質。大気中の二酸化炭素を減らす可能性をもつ資源は木のみが考えられます。

木の特質

木材の独特なやさしい色は私たちに癒しを与えてくれます。住宅の内装は、室内の衛生・快適性などに大きな影響を与えます。数ある内装材料の中でも木材はその仕上げ材料として理想的な材料です。
以下に主な特色を5点挙げてみました。
1.熱伝導率が小さく、吸放湿性があることで、木材に囲まれた空間の温度・湿度は安定
2.木材からの反射光は、紫外線が少なく、赤外線を多く含むので、目に優しく、特有の光沢と質感を感じさせます。
3.木材は適度に硬く、すべり難いので安全性にも優れています。
4.木材は低音から高音までの音を適度に吸収する特性をもち、防音効果にも優れています。
5.木の香り・成分が精神面に及ぼす影響や、ダニ等に対する抗菌性も研究されています。

次回予告

従来、感覚的に理解されていた木材の特性が、近年の進歩によって、木材の身体に対する影響を客観的に評価できるようになりました。
今後、木の働きを六回にわけて紹介していきます。

第一回   木材と抗菌性、ダニ対策
第二回   木材とホルムアルデヒド
第三回   木材の色・木目・手触り・匂いと快適性
第四回   木材と温度・湿度
第五回   木材と音
第六回   木材と家族

第一回 木材と抗菌性、ダニ対策

このジャンルのお話は、木材そのものが腐るとか(腐朽菌)、木材につく虫(シロアリ、ヒラタキクイムシ等)の話からなる耐久性の話もありますが、ここでは主に内装材として使われる木材の効能について説明したいと思います。

木材の抗菌性は、木が発する「臭い」と深く関係します。木材の臭いにもいろいろありますが、好きな臭いの場合は「香り」と表現できるでしょう。日本人は杉、桧の臭いに嫌悪感を持つ人は少なく、いい香りとして好まれているようです。この香りは木材が持つ精油成分のためで、1つの木には様々な精油成分が含まれており、その含有量も樹種によって少しずつ異なっています。ですから木によって独自の香りを持っているのです。

昔から、たんすの中にクスノキから得られる樟脳(防虫剤)を使ったり、杉の葉を蒸した蚊とり線香など、多くの精油成分に昆虫を寄せ付けない効果があります。また、住宅の土台として古くから桧、ひば材が使われていますが、これも木が持っている精油成分にカビ等の木材腐朽菌などの細菌に対して強い抵抗力を持っているからです。

また、家に生息するダニが原因で気管支喘息やアトピー性皮膚炎に悩むご家庭も多いようです。桧や杉、ベイヒ、ベイスギなどの北米材のにおいはダニの繁殖を抑制する効果もあります。学校の内装材に木材を活用するとインフルエンザの学級閉鎖率が低いという報告もあります。

このような木の特性を活用して、化学薬品の使用を抑えて副作用の少ない天然精油の効能を見直し、構造材・内装材に適材適所で木材を活用していく知恵が必要です。森の香りは気分を爽快にさせストレス解消にも役立ちます。

木材とホルムアルデヒド

和室の雪見障子
住宅性能表示制度という言葉をお聞きになったことがありますか?
シックハウス症候群という言葉はニュースなどでお聞きになっていると思います。

住宅室内の空気には、ほこりや微生物、建材や様々な設備をはじめ、日常生活から発生する水蒸気や一酸化炭素、二酸化炭素及び多様な化学物質が含まれています。この化学物質によって健康に影響を与えることがシックハウスで、空気環境を、使う材料のを規制する側面がホルムアルデヒド対策、住宅の換気対策などを規定・評価する制度が住宅性能表示制度です。

今、住宅に使われる材料には様々なものがあり、石油を原料とする化学物質も多く含まれています。今では先に説明した性能表示制度によって安全な建材を使うよう規制されていますが、それでもまだまだシックハウス問題は解決していません。

この問題は、住宅の高気密・高断熱施工と換気システムや接着剤の利用、また有機化合物に反応する程度の個人差があり複雑な問題です。ただ言えることは木材からのホルムアルデヒド放散量はかぎりなくゼロに近いことは間違いありません。「健康住宅」の実現のためには木材の活用は大変重要な要素です。

居住者の死亡年齢を木造住宅と鉄筋コンクリート住宅で調査した事例があります。これによると死亡年齢は木造住宅の方が平均で11歳も高い結果が得られています。同様にねずみを使った実験でもコンクリートや鉄製の箱で飼育した場合と木製の箱では、その生殖能力や生存時間におおきな差が現れています。温度、湿度などからくる精神的ストレスが健康に大きな影響を与え、免疫低下や癌の原因を誘発していると考えられています。